| エコリフォームマスター資格制度の設立 |
近年の建築に関する新たな問題「シックハウス症候群」は、省エネルギーや快適性を目指した高断熱化・高気密化、機械換気による自然換気不足や、工業化製品の住宅が急速に普及された事などが原因として挙げられています。しかし、「欠陥住宅」とまで言われる背景には、決して産業だけのせいにしてはならない理由があります。あたかも造り手側だけに責任があるといった言葉も飛び交っていますが、利便性を求めたのは紛れもなく「人」であり、全ての人が加害者でもあるのです。
|
その建物が建てられた時代には、決して人体に有害な物質ではないと思われていたものが、後の化学の進歩によって、死に至らしめるほどの有害物質であると判明する場合もあるのです。
それを今になって誰が悪いと批判するのではなく、いかにこれからの住宅を環境に配慮された快適で健康的なものにしていくかという事に、目を向けなければなりません。エコリフォームの項目でも述べましたが、今まさにストック型の住宅を維持するライフスタイルが求められており、新築・リフォームにあたり、ユーザーに対して環境に配慮された健康で快適な住まい造りについての相談にのれる技術者、また実務として対策・改善等の提案ができる技術者の必要性が重要視されています。
|
エコリフォームマスター資格は、ただ単に自然素材や健康素材だけを使用すれば良いという概念ではなく、これらの環境倫理観のもとに、住環境文化を再生できる「技術者」を育成する為に立ち上げられました。
|
ちなみに、当会に寄せられる相談事として最も多いのは、どのような室内空気環境の見直しによって、新築・リフォームにおいての体調不良を改善できるかというシックハウス関連のものです。また、「子供がアレルギーなので、どのような事に注意して室内環境の改善を図れば良いか」という、アレルギーによるアトピーなどの相談も多く寄せられています。さらに、それらの室内環境問題だけにとどまらず、ダイオキシンなどの廃棄物処理問題、ヒートアイランド現象の緑化問題、水の問題、森林の問題、人口の問題など地球規模にまで及ぶほど多岐にわたっています。
これらは、何よりも信頼関係から成る「リフォーム」現場において、ユーザーの皆様と総合的な環境コミュニケーションについてお話しする中で上がっている実際の声です。しかしながらこのような資格制度は各方面で色々な団体が立ち上げていますが、「リフォーム」に特化した制度は未だありません。
|
新築であれば既存物が存在せず、最初から設計した通りに組み上げればそれで済みますが、リフォームの場合は100%既存物が発生します。
ところがこの「既存物」、悲しいことに全てがひとつの基準で統一されているわけではありません。誰が設計したのか?誰が建てたのか?既に使用禁止の資材が乱用していないか?という事がはっきりとわからなかったり、当時の図面を紛失している事などが当たり前の事の様に起こってくるのです。また、当時の基準と現代の基準を融合させる判断力・知識・技術は、マニュアルもなければ施工方法も確立されていません。 |
そして更に「住みながら」の工事が前提です。お風呂を改装すれば、幾日か風呂には入れませんし、台所を改装すれば幾日か食事は店屋物か外食になるでしょう。玄関を改装すればセキュリティーの問題があり、屋根を改装すれば天候も含めて不安がつきものです。いくら環境や健康素材を唱えても、悠長に議論しあってる暇はありません。
さらに、的確な判断のもと失敗が許されない施工スピードが求められるのです。また、着工してから事前にわからなかった発見不可能不具合箇所を悩んでいる暇もありません。商品を間違えてトイレが使えませんでは済まないのです。このように、「リフォーム」だけでも高度な技術を要し誰でも出来るという事ではないのです。それに加え、環境・健康に配慮された住空間・住文化を再生させなければなりません。
|
そして何よりも、消費者の方と「環境倫理観を一緒に考える」という大切な仕事もあります。リフォームが完成すると生活者は、この時とばかりに、家具を一新するなど何かと速やかに生活雑貨を購入されがちです。自然素材をいくら多用してリフォームを行っても、焦って購入した家具やタンスに有害な化学物質が含まれていたら、そこから発散する化学物質を自然素材が吸収してしまい、せっかく取り入れた自然素材の効果を減退させ、結局またリフォームをするという悪循環を起すハメになり、環境が改善されない場合があります。
|
つまり、生活上における化学物質の正しい知識はもちろんの事、環境倫理観にまで及ぶライフスタイルを養う必要があります。その様なライフスタイルを創造できるエコリフォームマスター資格者は、まさに時代に要求されたRe-create (再創造)マスターでもあるのです。
|
| |